バリローチェ1~ラフ

我が愛馬バリローチェ(以下バリちゃん)が8月12日の新潟競馬5Rの新馬戦でデビューした。バリちゃんは今年もリーディングを独走する角居厩舎の所属だ。その調教は新馬から強い負荷をかけることはほとんどない。バリちゃんも例外なくCWの併せ調教を主体に仕上げられた。最終追いきりはポリトラックというあまり角居厩舎の新馬戦追い切りでは見られない調教であったが、終いは伸び先着もした。併せで相手にどれだけ迫るかががおそらく角居厩舎の新馬のひとつの目安なのかもしれない。
追い切りには騎乗する岩田騎手が跨った。そこでの感想はエンジンのかかりが遅いとのことであった。グリーンチャンネルの調教映像でもその通りの動きが映し出されていた。これでバリちゃんの特質を理解した岩田騎手はキャロットHPのコメントにもあるようゲートで押して前に行く腹づもりを厩舎としていたようだ。
厩舎のコメントはエンジンのかかりの遅さ、跳びの大きさなどを指摘していた。マイルが忙しいかもとのコメントもあった。これは父親であるディープインパクトの競走馬としての特質に似ていると思う。これは我が出資馬カルドブレッサの記事で散々書いたことであるが、跳びが大きいということはギアの大きな自転車のようなものである。スタートからスピードに乗るまで時間がかかる。だからテンに急がせる競馬はどうしても置いていかれる。そのかわりスピードに乗れば長くいい脚を使わせる。逆に進路を塞がれて再加速するには少々もたつく可能性が高い。だからディープインパクトはいつも3コーナーからの捲くり競馬に徹していた。今回の新潟のマイルは直線の長さがありそういうバリちゃんにとっては向いている競馬だったと思う。

馬体重が発表された。444kgだ。NF信楽に移動する前の5月15日の時点で466kgだったので気持ち減ったかなという印象だ。それでもエンジンのかかりが遅いと評されているバリちゃんには太目よりはいいという気がする。パドックも映像で見る限り異常はない。踏み込みも問題なさそうだ。本馬場入場もゲートインも問題はなさそうであった。
ゲートが開いた。やはり立ち遅れ気味で早速岩田騎手が手を動かす。だがあまり反応せず後方に位置どることになる。ある程度予測されたことだが前も決して速くはないがそこそこ流れていた。岩田騎手は早々に騎乗を切り替え場群の中で落ち着かせた。4角を回り徐々に外に進路をきり、直線に向いて前が開く位置を確保し岩田騎手は手綱を動かし追い始めた。やはりすぐに切れる脚ではなくジワジワと伸び始め外から被せに来たルーベンスクラフトを徐々に引きはなした。残り400mの時点で前との差を一気に詰めゴール前できっちり差し切った。おそらくあと100m直線が長くても順位は変わらない感じであった。
2着はハッピーポケット、3着はシュンシャイン4着はサクラディソールであった。前回の記事で書いたとおり調教で買うならと言った2頭が2着4着である。さらにもう1頭のコスモも果敢に逃げた。負けるとしたらこの3頭だと思っていたのでこの3頭の馬連、さらにバリちゃん頭でこの3頭を2・3着に固定したフォーメーション3連単を買っていたので馬券的にも取らせていただいた。
このメンバーではモノが違ったのかなというのがレース後の印象だ。このレースのレベルはこれからを見なければ言えない。だが調教での3頭は水準以上の時計を出していたと私は評価する。勝ち時計は平凡かもしれないがこれら3頭が前に行って34秒前半の脚を使いながらバリちゃんに差されたのだからそれなりに力は出していると思うし、そんなに低レベルでもないとも思う。さらに陣営のコメントからまだ奥が窺えるようであり、出資者びいきである事は自覚しているが先が楽しみになる。

今回のバリちゃんの上がり3Fは33秒5である。これは今年の2歳牝馬の延べ500ほどのレースのうちで第2位である。先週までなら牡馬を合わせても第8位だったのだが土曜の新潟新馬戦が超スローで33秒5未満が7頭もいたので15位ということになる。さらにバリちゃんよりも速い脚を使ったミラクルアスクはまだ未勝利の身だ。いずれにしても牝馬同士なら現状でトップクラスの末脚を見せたことになる。さらにあのレース振りだとまだ脚は使えそうな感じに思える。
岩田騎手はこれも前の記事で書いたとおり上がりの最速の馬で勝つことが今年は非常に多い。今回のように調教でその特性を把握していれば、新潟競馬場のコース形態を加味してあのように脚をきっちり使うレースを見せてくれる。これでも目一杯ではないとのコメントがあり、大物を連想させる。
その一方で陣営が評したイグアス似というコメントも真実であったことを今回のレースは見せたように思う。今のままではおそらくテンの速いレースは向かない。さらにいうと急坂は苦労するかもしれない。阪神の1600mは一流馬になるために2回は通らなければならないとは思うが、今回のように直線入り口から追う競馬ではカルドブレッサ同様落とす可能性があるのではないか。さらにこれらはテンが速くなりやすい。それもイグアス似なら辛そうだ。
それも含めてか判らないが、早々と放牧を陣営は示唆した。それで正解だと思う。まだ成長できる分は大きいと思う。それがテンの速さに対応できるようになるかもしれない。もちろん放牧は人気厩舎としてのやりくりの部分も当然あるとは思うが、その素材を評価してもらえた意味もあるのではないかと思う。

デビュー前の調教といい、馬の特性の把握といい、それをコメントしてくれる姿勢といい、超一流厩舎の実力を今回まざまざと見せつけられた。そして馬の持つ能力の遺伝性も再確認した。目に見える調教時計だけではないことを。さらにゲート試験合格後の放牧からの再入厩からのコメントは一貫して調教助手が発している。これもおそらく角居調教師の信頼の元そう行われているのだと思う。そういうシステムがより多くの馬を勝利に導き、上位条件で活躍させているのだろう。
多くの方が感じられたようにまだバリちゃんの絵はラフスケッチの段階だ。これからまだまだ細部をリファインしていく余地がある。だがそのスケッチは少なくとも私の感性を引き寄せる魅力を放っている。その絵はこの冬の仁川での絵なのか、それとも来春の桜吹雪なのかそれとも府中の樫なのか、楽しみだ。別に3枚セットでも構わない。名画家のもとで素晴らしい芸術作品となることを期待したい。

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